2010-06-26

熟練…。

コマンドシフターのシマノ10s化の続きです。

今日の作業はお休みです。

慣れない工具たちとお友達になること1ヶ月半。いくら素人でも100回以上やれば慣れるもので、専用ジグと手作業で製品として申し分のない精度が出せるまで熟練してしまいました…。
もちろん最終的には最新の製造設備をもつプロの手によるものになりますが加工に出すのに時間がかかるので、まずは手仕上げのパーツを組み込んでリリースしちゃいます。

10速用だけでなく、補修用の8s、7s用パーツその他も用意するつもりですが、なんだか絶滅危惧種の保護でもやってるような…。そのうちレプリカ作りたくなってきたりも…。

あくまで週末のサイドビジネスというようなスタンスではありますが、需要へのコミットをする構えです。ただその需要があるかどうか。軽い興味に導かれるまま二階に昇って梯子を蹴飛ばしたような、そんな感じです。

スナップリングプライヤー

コマンドシフター XC Proシフター (Accushift Plusシリーズ)の分解で第一関門となるのが、シフターを取り外したときに各パーツが軸から脱落しないように留めているCの字型のスナップリングです。

精密マイナスドライバーでこじれば一発で外せるものの、再び取り付けるのはひと苦労。器用にやればスナップリングで留めなくてもハンドルに装着できますが、専用のスナップリングプライヤーがあれば楽です。プラスチック部品を傷めずにすみますし。

で、使えそうなスナップリングプライヤー4本を買い込みました。結果は全部ハズレ…。やむなくダイヤモンドヤスリでシュコシュコと加工。先端を細くして、スナップリングがひっかかるようにくびれをV字型に整形。ようやくしっかりと把握しながら拡げられるスナップリングになりました。ただ、一度ドライバーでこじり出したスナップリングは変形しているので、ラジオペンチ2本で修正しないといけません。

4,000円くらいかけてしまいましたが、調べると品揃えの良い100円ショップには210円商品としてスナップリングプライヤーを置いているところもあるようです。ヤスリを入れても315円で専用工具がつくれるかもしれません。上手くいったら方法を紹介したいと思います。

2010-06-23

完璧にシンクロ。

当初一応10s化していたコマンドシフター。今では各速へのシフトアップ、シフトダウンがスムーズかつムラなくシンクロしてキッチリ決まるものに完成。

急がば回れということで、何回も割り出しをやりなおしたり、各種ジグの削り出しを続けた結果ですが、その間に耐摩耗性や新しい工夫などもあってワイヤー送りピッチが最も短く難しいシマノ10s対応を実現することができました。この方法でいけばもし仮に11sで2.0mmピッチだったとしても難なく対応できる自信があります。

2010-06-21

XC Pro サムシフター

7/8速対応の機構への興味もあり、Dahon Metroに付けようと思って軽い気持ちでXC Proサムシフターを入手しました。

mtbr.comにおけるXC Proシフターのユーザーレビュー(英語)

これまた大絶賛のレビューが多数。神シフター的な評価です。特にフリクションモードへの切り替えは、駆動系が衝撃などで変形するなどしてインデックスが狂うような状況でも、フリクションモードで切り抜けられる非常に実用的な機能ということだそうです。


高評価はフリクション操作をしてこそシフティングだというような硬派な古参ユーザーに多い意見ですが、それでも「存在する最高のシフター」との声が多数。その後XC Proサムシフターは構造がコマンドと同じこともありまして、10速化改造を施しレイダック通勤号で愛用することになりました。

2010-06-20

Suntour Command Shifter (Butterfly) & XC Pro thumbies for the latest cogsets

For those who are looking for the Suntour Command Shifters (aka Butterfly) or thinking to put them on eBay, just don't miss the chance to get your pair and never sell them away.

People think the Command is an innovation 20 years ago, just perfect for restoration project of your vintage road bike. Or maybe some competition cyclocross riders found them ideal shifter for its durability over modern brifters. It is not just for old bikes. This is not because the Command Shifter can be switched to the friction mode, which is actually just turn them what they used to call 'light index mode'.

The Command Shifters can be perfectly indexed and synchronized with the latest 9 and 10 speed or even 11 speed cassette cogs by simply replacing the index cam ring inside.

The cam rings to make the Command Shifters work with Shimano 9 speed and Campy 10 speed are available from an ex-Suntour engineer for years. I have obtained a bunch of pairs of Command Shifters in NOS condition, and am currently working on the ones for Shimano 10 speed and Campy 11. So please stay tuned to this blog for the replacement cam rings or the complete Command Shifters geared to the latest cogsets.

Since Suntour XC Pro thumb shifter, the greatest MTB shifters that still many people say 'the best shifters ever made', shares the internal design with the Command, the replacement parts fit XC Pro too. They are also not just old school stuff.

コマンド10sの新手法



薄曇りの絶好のサイクリング日和なのに今日もコマンドいじり。

磨耗耐性を上げながら精度を高める新手法は目論み通りに機能することが確認できました。さらに操作が軽くなるという副次的な効果も出ています。

当ブログの写真点数の少なさを反省しつつ、現状のレイダックの姿を晒しておきます…。

クロスバイクのドロップハンドル化

クロスバイクのドロップ化に取り組んでいるサイクリストは少なくないようです。ただ、レバー比の問題でそのままだとVブレーキを引けないSTIが最大の障壁になります。

レバー比を変えるデバイスを介在させたり、ロード用キャリパーブレーキのレバー比でそのまま引けるショートアームV(ミニV)ブレーキを使うなどの対策が一般的なようです。

これはクロスバイクに限らず、Vブレーキが装着された折りたたみ自転車や小径車でドロップ化を考えた時も同様です。

コマンドシフターにしてVブレーキ専用のドロップハンドル用レバーを選べばこの問題は一気に解決するばかりか、余計なデバイスを介在させずにシンプルに済ませられ、トータルコストでも有利です。

TEKTRO RL520 Vブレーキレバー (ペアで2,500円くらい)
ダイアコンペ 287V (5,000円くらい)

逆にカンチレバーブレーキの制動性に不安のあるシクロクロスを街乗り仕様に仕立てたい場合にも、カンチブレーキ台座にVブレーキを取り付け、STIを廃止して上記のVブレーキレバー+コマンドシフター構成にすれば、「街乗り最強」とも言われるシクロクロスを制動面でも最強にすることができます。

2.3ミリのインデックス

引き続きコマンド10s化に取り組んでいます。

テストランの加工に出すのを保留して、再び念入りに割り出しをしているところです。これが終わったらロードテスト(カタカナで書くとload test と road test、うまいことにダブルミーニングです)に移ります。基本的にケーブルを2.3ミリずつ引くようにインデックスを打つだけのシンプルな事ですが、データ取りながら慎重に進めています。

10-9速間のストロークを詰めようとも考えましたが、位相がごっそり変わってしまう以外にも影響がありそうなので見送りました。また、耐摩耗性も素材と加工方法に加えてもうひとつの有効な対策を思いつきました。いろいろやっているうちにテストでつくったリングも8個目。ゆっくりですが着実に進んでいます。

2010-06-19

レイダックと適正身長

47サイズ … 151cm ~ 169cm
49サイズ … 155cm ~ 177cm
53サイズ … 162cm ~ 180cm 付属ステム80mm、クランク165mm
57サイズ … 169cm ~ 189cm 付属ステム110mm?、クランク???mm

上記はRF6の適正身長だそうです。でも吊るしの状態で乗るにはちょっと広すぎる感じがします。
たとえば私は53サイズと57サイズそれぞれの適正身長中心値のちょうど中間の身長なのですが、53サイズを選択するとステムが短い、クランクが短い、胴長短足体形なのにシートポストは制限ラインちょうどで合うといった状況です。しかもハンドルバーはブラケット部分で芯間380ミリとかなり狭いものがついていました。結果、適正ポジションを出すために、ハンドルバーとステム、クランクを交換するということになってしまいました。

適正身長の数字はフレームの適正身長であって、ステムやクランクなどで調節が必要な場合もあるということなのでしょう。

2010-06-17

フロント用(左)コマンドシフターの分解

フロント用シフトレバー(左用)の分解メンテナンス用のメモです。

コマンドのフロント用左レバーは、ワイヤーのテンションと拮抗するために送り側でラチェットが効いて軽く、戻し側で重くなっています。

分解メンテナンスの必要性はあまり無さそうですが興味で開けてみました。右用のようにスナップリングで留めているのでもなく、かといってボルトを緩めようといくら回しても緩みません。これはボルトの途中に抜け止めが入っているためで、抜け止めを引き抜くためには台座から外してボルトを底から押し上して取り外します。


16.環付きボルト
15.プラキャップ
14.シール (グレーのプラ部品)
13.ワッシャー (内側にスプライン溝つき)
12.ラチェット歯車
11.ラチェット爪 (スプリング/プラ)
10.ワッシャー (内側半分にスプライン溝つき)
9. シフトレバー本体 (アルミ合金ダイキャスト製)
8. ワッシャー
7. シフター軸
6. アウター受け (スチール・黒塗装)
5. ボルト軸
4. 抜け止めリテーナーワッシャー(プラ)
3. アルミ合金台座 (後期型)
2. クランプナット(スチール / 後期型)
1. ステンレスバンド(ステンレス / 後期型)


16. bolt
15. plastic top cap (black)
14. plastic seal (gray)
13. spline washer ring (6 serrations)
12. rachet cog cilynder
11. rachet teeth with spring
10. spline washer ring (3 serrations)
9. shift lever
8. washer ring
7. shifter column
6. cable holder (steel black paint)
5. bolt column
4. retaining washer (plastic)
3. bracket base (alloy)
2. clamp nut (steel)
1. stainless clamp band

2010-06-15

Suntour Command Shifter for Campy 11 speed?

シマノ10s対応リングの開発が量産テストラン→量産というフェイズが見えてきたところで、今度はカンパ11sに目を向けます。

クリックリングを穴があくほど見つめていて得た結論は、一筋縄ではいかないにしても実現可能、というものです。

カンパ10sのワイヤー引き量2.8mmに対し、11sは2.6mm。カム穴の角度とワイヤー引き量は、ワイヤーの曲がりなどのせいか正比例しませんが、物理的には専用のクリックリングでギリギリ実現可能と踏んでいます。ダメでもクリックリング以外の部品も交換すれば確実に対応できるはずです。

こんな事考えてますが、実はカンパなんて触った事もありません。何も分かってません。エルゴパワーレバーのフィーリングこそがカンパなんじゃないのとか言われそうです。

というわけで、フレームのままで半年くらい放置する予定だったレイダックのクロモリフレームにホイールやらステムやらが生えてくる日も近そうです。しかもカンパ11sとかギャグみたいな状態に。

シマノ10s対応済みコマンド

金曜土曜と久々に続けて痛飲しまして、天気の良い日曜にコマンドシフターを弄って過ごしていたら梅雨入りしてしまいました。結局あまり乗れないままで今週を迎えています。

さぁーて、気になるシマノ10速対応済みの新品(一応ね)コマンドシフターのお値段は…。

予価、1諭吉っつあんです。

※但し、リングの量産テストランがトントン拍子に進んだ場合です。場合によってはリング以外にも3点ほどリプレイスメント部品を作らないといけない可能性も残ってますので。

内容は、コマンドシフター(左右1セット)です。シフトケーブルは付属しません(シマノ製ワイヤーなどでもちろん代用できます)。デッドストックの新品ですが、パッケージ品ではないので保管瑕によるシフトレバーの塗装剥げが多数見られますゆえ、コレクション用途ではなく実用品としてどうぞ。オリジナルの7sリングは付属しません。

もちろん、手持ちのコマンドシフターの在庫限りです…。

今までコマンドをオークションで入手して9速/10速化すると諸費入れて1.6萬イェンくらい掛かっていたのに比べれば、吾ながら良心プライスかと。さらにコマンドシフター唯一の消耗部品たるクリックリングも安価に提供するつもりです。

儲かるかと聞かれれば少々の利益は出ますが、商売として考えると油を売ってる状態で非常にマズいです。何やってんだか…。


(2010.10.23追記)
提供開始まであと一歩か半歩の状態まで漕ぎ着けました。リプレイスメントパーツ2点の交換で耐久性も確保できそうです。予価が守れるかどうかはちょっと微妙なところです。

2010-06-12

コマンドシフター 右のみ一部到着

コマンドシフターに触れられる週末がまたやってきました。
先に到着したコマンドシフターの状態をチェックします。

山積みで保管されていたものらしく、どの個体もアルマイトが剥げた箇所が多数あり、古くなったグリスの匂いがします。シフトケーブルは表面が酸化していますのですべて処分します。
長期保管品の新品という説明でしたが、20年落ちのレイダックに付属していた中古のほうが外装に関しては状態が良いという状況。動作チェックも兼ねて、全部バラして洗浄、調整、グリスアップをするとなると結構な作業量で、しばらくはコマンドシフターを弄る週末になりそうです。

入手したコマンドシフターは後期のダイキャスト台座、ショートレバーの7sだと思っていたら、ダイキャスト台座、環付ボルトまでは後期タイプなのですが、レバーだけ後期の丸みを帯びたものではなく、前期の角ばったレバーがついています。しかもその両端を削って長さを詰めたうえでブラックアルマイト処理されているという不思議な仕様。応急処置的に加工したものがそのままお蔵入りになったのか、どういった経緯なのかまったく情報がなく謎のままです。

2010-06-08

シマノ10sコマンドシフター

一応シマノ10速に対応させたコマンドシフター。完璧にシンクロすると思っていましたが、まだまだ改善の余地があります。レバーの角度によって指の力が掛けにくくなる位置が出るので、各段でクリックの深さを最適化したほうがいいのではと通勤で使いながら思いました。トップ付近とロー付近で妙に深くし過ぎたせいで操作する角度が少なくなる5、6、7段間で微妙なコントロールがしにくいものとなっていました。実際は台座のストッパーが機能するトップは微かにクリックするだけで問題ありません。おそらく、クリックのくぼみの径に変化をつけることで対応できると思います。さらには摩減がある程度進んだ時の影響も考えないといけません。

試しに作ったものでもパチパチとシフト操作してシアワセになれるくらい楽しめるものに仕上がっていますが、最適なフィーリングリングをチューニングで得られれば、もっと気持ち良く使えるものになります。

2010-06-05

コマンドシフターのシマノ10速対応化に成功



Suntour Command Shifterのシマノ10速対応化に専用のクリックリングを用意するだけで成功しました。治具なしでフリーハンドで加工した試作品なので各段のクリック感が一様ではありませんが、ローからトップまで
完璧に(改善の余地あり)シンクロします。

テスト環境はこんな感じです。
フロントスプロケット : FSA 50T/34T
リヤメカ : 105 RD-5600SS
カセットスプロケット : 105 CS-5600(12T-27T)
チェーン : CN-7801+KMCミッシングリンク10s

コマンドシフター組み付け順

備忘用にコマンドシフターの右レバーをメンテナンスする際の組み付け順をメモしました。モデルは7s Gen.1です。メンテナンスするときはストッパーで止まるまで右に捻り、トップの位置にしておきます。ねじをはずしてハンドルクランプ台座からはずしたら、シフトワイヤーのアウター受けが手前に来るように作業台に置きます。


20. ボルト
19. スナップリング
18. インデックスインジケータ(プラスチック部品、内周側) インジケーター(赤丸)を2時位置に
17. プラスチック製キャップ(プラスチック部品、外周側) JAPANの表示を11時位置に
16. 鋼球押さえ
15. 鋼球 12時、6時位置の穴に配置する。ガイドプレートの刻印がある部分には取り付けない。
14. 鋼球
13. 鋼球ガイドプレート … ポンチマークを9時or3時位置に
12. 銅ワッシャー … 鋼球の外周への脱落を防いでいる
11. インデックスクリックリング … インデックスのくぼみがある面を上にして配置。
10. ワッシャー …皿ばねのテーパー側を受け止めている。
9. 皿ばね … 2枚貝やカスタネットのように配置。
8. 皿ばね … 1枚目はテーパーが奥側になるように。
7. ワッシャー … 皿ばねを受けている。
6. レバー一体ケース … アルミダイキャスト、ブラックアルマイト仕上げのレバー。
5. ワッシャー
4. 波ワッシャー
3. シフター軸 … 軸とアウター受けは5点のダボで勘合する。
2. アウター受け … メンテナンス時はアウター受けを6時位置に
1. ハンドルクランプ台座

2010-06-01

サンツアーコマンドシフター復活?!

21世紀に入ってから高騰し、最近では1万円オーバー近辺で高値安定していたサンツアーのコマンドシフターですが、これで少しは落ち着くことでしょう。

後期型のダイキャスト台座、ステンレスバンドの7速、バークランプ径は23.8mmです。写真のような状態で保管・輸送されていますので、特にレバー部の擦れや
アルマイト(塗装です)剥がれなどのキズはあります。15年以上前のものなので
シフトケーブルの品質も保証できませんのでオマケと考えてください。(シフトケーブルはありません)



このような大量のコマンドシフターはもう見ることはないでしょう。オークションで値段吊り上げたりしませんので、手持ちのコマンドの高値売り抜けを狙ってる方はお早めに…。

シマノ10速対応化の目処もついたことなので、まとめてシマノ10s対応に改造したうえで供給しようと思っています。