2010-11-20

Suntour BAR-CON バーコン 10s化はちょっと難しい?

バーエンドコントローラー。バーコンというといかにも和製英語チックなの略し方ですが、今でもメーカーを問わず世界的にバーコン(barcon)で通用するのは、サンツアーが『BAR-CON』の名称で発売していたからでしょうか。

コマンドシフターとサムシフターが10s化できたので、同じ方法で問題なく10s化できるだろうということで1ペアを入手しました。SunTour SL-BC00 BAR-CON 6s、リヤ (右) : SL-BC01-R6, フロント(左) : SL-BC01-Lのセットです。1987年版のマニュアルが付属していました。

分解する前に可動範囲を確認すると、ケーブルを引ききった状態でレバーと取り付けバーのストレート部と一直線になり、10速のローに入る前に台座のバーコンシフターフレームとレバーが干渉してしまいます。フレーム側を削って、一直線以上になるように動くようにしなければなりません。

2010-11-11

アーレンキーの語源

六角レンチのことを自転車の世界ではアーレンキーと呼ぶらしいです。ちょっと詳しいサイトには「Allen社の商標だったから」と説明されていますが気になったので重箱の隅をつっ突いてみます。

アーレンさんが作りはじめたからアーレンキーのように思えますが、実はコネチカットのアーレン工業は後発メーカーで、六角ボルトの元祖はSPS社ということだそうです。SPS社はunbreakable(壊れない)をもじってUnbrako(アンブラコ)銘で売り出しましたが、第二次大戦期にSPS社が軍需で手一杯だったところにアーレン工業が民生市場でシェアを伸ばした結果、一般にアーレンの名称が浸透したということです。

ドイツ、オランダ、ロシア、ポーランドではドイツメーカーが命名した"Inbus"が一般的で、イタリアではパテントホルダー名の"Brugola" 、その他の欧州非英語圏ではアンブラコが浸透していて、イケアの本国では「アンブラコで組み立てる」のような表現がされているそうです。他に"alum", "zeta"なども確認できます。フランスでは"Clé Allen"が通用するそうです。以上、即席で仕入れた知識の受け売りです。

自転車大国フランスと巨大な市場のアメリカで浸透しているあたりが、日本の自転車関連でアーレンキーの名が広まった理由ではないかと思います。

2010-11-10

Suntour Command SIS10s のシフティング操作

引き続きテスター様からです(手タレ出演アリガトウゴザイマス!)。前回の最終型コマンドに変わりまして、レバー部と樹脂製セレクターキャップのみが初期型(台座は後期型)の特別仕様コマンドを取り付けていただきました。レバー部が丸みを帯びて短い後期型は、取り付けた時に3速付近でレバーが「へ」の字になります。ブラケットポジションでの使い勝手が多少犠牲になっている反面、下ハンからのアプローチがしやすくなっています。



常用域(4~7s付近)からのシフトダウン。


旧型コマンドのレバーはアームが高い位置にあり、力が入りやすい角度で付いていて長い為、ローまで落とす時は最終型より断然動かしやすいです。

常用域(4~7s付近)からのシフトアップ

常用領域ではサムシフター的に親指一本で、プッシュ&プルが可能です。

この辺りからのシフトダウンの早さ(レスポンス)はデュアルコントロールレバーの比ではないですね~。気持ち良いです。










下ハンを握る瞬間≒アタックをかける時なので、ブレーキブラケットから下ハンに握り換える瞬間とギアをトップに入れてアタックを掛ける事を同時に行なう技、名づけて「コマンドアタック」が使えます。デュアルコントロールレバーの場合、握ってから指を伸ばし、レバーを操作しなければならないので、その分反応が遅れます。気合を入れるタイミングとシンクロ出来るので気持ち良いです。


【ブレーキ操作とコマンド】

減速に関して、ブレーキングと同時にレバー操作を行なわなければならないので、左側に制動力の高いフロントブレーキを持って来た方が良いです。

ブレーキレバーとシフトレバーを兼用しているデュアルコントロールレバーなら尚更左手でフロントブレーキを操作した方が良いです。

日本車は何を根拠にしているのか(おそらくオートバイを参考にしている)右手でフロントブレーキを操作しますが、全く理にかなっていません。

左側通行で後続車両の確認をするなら右手はハンドサインにも使うし、しっかりと目視するなら右手をハンドルから離し、体ごと一瞬後を向く必要があります。

後方確認直後、前方車両がブレーキをかける事もあるので、常にフロントブレーキレバーを握れるようにするには、左にフロントブレーキレバーがあるべきです。

コマンドユーザーには是非左フロントブレーキをおすすめします。


アリガトウゴザイマス!!
各ポジションでのシフティングのみならず、制動までを含めた操作全般でベストなハンドル周りのセットアップのアドバイスを頂戴しました。なんとなく欧州仕様でそうなっているらしいという程度の左前ブレーキですが、制動とシフティング操作が合理的に両立できるというメリットがあるんですね。

2010-11-09

サンツアーコマンド、Shallow 26とダイアコンペ287レバー加工

テスター様からの設置レポ&インプレを頂戴しました。


 ハンドルはタキザワHARP Shallow 26。エアロレバーはダイアコンペ287のブラケット部分を加工。
サンツアーコマンドは第2世代最終型7/8s改10sです。
コマンドに最適なマースバーはどれか?を探求するアプローチでダイアコンペ287の左右を入れ替えてブラケットを削ってコマンドの台座を詰めて設置しています。ダブル溝のハンドルバーに対して、エアロレバー左右入れ替えでブレーキアウターをハンドルの外側に這わせ、シフトケーブルを内側の溝に沿わせます。


Gen1(正確には2世代目のコマンドで、レバー部が両端を詰めた1世代目の混成仕様)とGen2のコマンドを試していただいていますが、後期型のレバーは下ハンポジションでレバーへのアクセスがしやすく、反面、前期型のレバーのほうがブラケットポジションからの操作がしやすいとのことです。また、2速からローにシフトダウンするときは長い1世代目のレバーが力を入れて操作しやすいそうです。

2010-10-31

エアロブレーキレバー

コマンドシフターをドロップハンドルに取り付けた場合、ケーブルをハンドルバーに沿わせてバーテープで巻く、いわゆるハンドル内蔵式にすることができます。

シマノのSTIでは長らくシフトケーブルがハンドルの内側に露出する方式が続きましたが、2010年の5700系への更新で、7900,6700,5700までの上位3種の10速グループセットシリーズ用のSTIがシフトケーブル内蔵式になりました。カンパニョーロは従来からブレーキワイヤー、シフトケーブルともに内蔵式だったので、2本のケーブルを沿わせられるようにハンドルバー内側にブレーキワイヤー溝、外側にシフトワイヤー溝が配された「ダブル溝」のハンドルバーが各社から用意されています。これを使ってコマンドに最適なハンドルバー構成ができるのでは、という知恵をいただきました。

コマンドシフターではシフトケーブルのアウター受けがハンドル内側に位置する関係から、そのままではシフトケーブル用に外側に用意された溝を利用することができません。内側の溝をシフトケーブル用に使い、ブレーキアウターを外側の溝に沿わせるには、エアロレバーのケーブルアウター位置の関係からブレーキレバーを左右逆に入れ替えるなどの工夫が必要なようです。エイドアーム(補助ブレーキ)の設置はできなくなりますが、ハンドルまわりはすっきりまとまるでしょう。


現行のエアロブレーキレバーをまとめてみました。エアロブレーキレバーはシマノ、ダイアコンペ、テクトロの順にブラケットが太くなっているらしく、STIに慣れた向きにはテクトロかC-STARが良いかも知れませんがスタイル面がトレードオフになります。

シマノ
  • BL-R600 ダイキャストブラケット
  • BL-R400
ちなみに79DURA以降のブレーキアーチ(BR-7900, BR-6700, BR-5700)は新レバー比に刷新されていて、今のところ新レバー比対応のSTIでしか引けないようになっています。新レバー比アーチ対応のエアロブレーキも用意してほしいところです。シマノがやるとしたら、ケーブルの通し穴の位置で新旧レバー比に対応できるレバーができそうな気がします。


ダイアコンペ
  • 287 ダイキャストブラケット 260g
  • BL100 樹脂ブラケット 220g
  • BL07 ダイキャストブラケット 244g
BL07の白ペイント版と思われるレバーがRADACに標準装備されていました。

テクトロ
  • R100A (女性用) 260g
  • R200A 260g
  • RL340
  • RL341 (女性用)

R100A/R200Aはカンパ風。ブラケットは太めでSTI向けのハンドルバーでフィットするように設計されています。(テクトロ以外のエアロレバーはほぼSTI以前の設計)
最近RL340/RL341に置き換わったようです。


Chang Star  (Chang Star, Zhang Star, Radius, シースター, チャンスター)
  • RA-208A 
「張星(?!)」大陸式台湾式ピンインの違いで拠点ごとに表記が分かれています。
RA-208AはTektro R200Aソックリです。


    Vブレーキ用は3種類が確認できます。TEKTROがまだ買えるかどうかは不明です。
    • TEKTRO RL520
    • Cane Creek Drop V Levers (OEM元はTektro?)
    • ダイアコンペ287V

      2010-10-27

      プロ中のプロからのご協力

      神佑天助と云いましょうか、非常に幸運なことに当ブログ子すなわちワタクシメは、走る事はもちろん車体そのものやパーツ、ウェアーに至るまで幅広く深い見識をお持ちの自転車のプロフェッショナルからテストライダーとしてアドバイスを戴くことになりました。自転車に深く関わる、自転車そのものともいえる業務を中心とされている傍らオリジナルウェアーブランド展開、さらには自転車メーカーのアドバイザーにとご活躍の方です。

      シンプルで耐久性の高いコマンドはデュアルコントロールレバーに比べ衝撃を受けにくい設置位置や単純な内部機構などから、操作性に劣ることがあったとしても信頼性においては断然有利なので、レーシングパーツになり得なくても、利益を生み出すために欠かせない信頼性を具えた理想的な生産財としての側面を持っているのではないかと想像していました。昨夕お伺いする機会を得てお話を聞くと、やはりバイクメッセンジャーの車両でピストよりも多数を占めるロードバイクではデュアルコントロールレバーの耐久性の問題、衝撃を免れない設置位置などで故障する運命にあり、かなりの割合でダブルレバー使用率が高いということです。

      新たな問題点が見えてくるかもしれませんが、先鋭的な性能はなくても単純でプリミティブ、堅牢で信頼性に富むプロフェッショナルの道具としての可能性が再発見されるかもしれないと思うととても楽しみです。

      2010-10-24

      サムシフター&ダブルレバー

      コマンドシフターのSIS10速インデックス化の検証用に用意したXC Proサムシフター、10速化して3週間を過ごし改めて使いやすさと操作フィールの良さに感じ入っています。サムシフターは9速以上への多段化が進む前に廃れてしまったものですが、数段飛ばしで一気に変速できたりレバーの感触でどのギアに入っているかが把握できる良さは9速、10速の時代に見直されていいと思います。ラピッドファイアーはトリガー式ゆえに悪路による振動下でも確実にシフトができる点で優れますが、ロードではレバー操作がおぼつかなくなることもありませんので。


      フリクションでの変速こそが真のシフティングだと主張する硬派な古参ユーザーがこぞって絶賛するサンツアーのXC Proサムシフター。堅牢さは防弾防爆仕様の一生モノとも評されています。


      コマンドシフターほどではないにしても、やはりXCシリーズのサムシフターは入手性に難があります。同じ方法で10速化したGPXダブルレバーですが、こちらはダブルレバーをサムシフター化できる台座と組み合わせて使おうかと考えています。PaulサミーズのほかにDIXNAのレバーハンドルマウントがあり、後者は左右別々に販売されているので助かります。

      左側の1055レバー(7s)もレバーハンドルマウントでサムシフター化して7sのラピッドファイアーと取り替える予定です。

      2010-10-22

      サンツアーコマンドシフター、GPXレバーのリング組み換え






      7/8速タイプは樹脂パーツの形状のせいか例の怪現象が発生。サムシフターだと7/8速でもこの問題が発生しないので、コマンド最終型7/8速(もしくは最終型全般)特有の問題です。干渉する部分を削れば解決しますが、とりあえず7s用の樹脂キャップとセレクタパーツを組み合わせて10s化を完了させました。




      レバーはトップの位置(この状態でレバーを右に回して止まる位置)でメンテナンスをするようにしています。
      ワイヤーのアウター受けが手前に来るように配置すると、トップの位置でレバーが時計に例えると11時15分を指すようなポジションになります。角ばったレバー形状の初期モデルのコマンドシフターだと9時20分です。




      インデックス溝と勘合する鋼球は12時と6時の位置に。球受けプレートは6/7速時代に4つ鋼球が使用されていた時の名残りで左右にも穴があり、○の刻印が9時位置に来るように配置します。


       10sのインデックスリングを装着。十字のスプラインは幅が変えてありますので、表裏さえ判別できれば間違いなく取り付けられます。


       大きいほうのプラキャップを球押さえと勘合させて押さえ込みます。
      セレーションの形状に合うように注意しながら最後にインデックス/フリクションセレクタの樹脂部品を被せてスナップリングで留めれば完成です。

      ついでに手持ちのサンツアーのGPXダブルレバーも10s化してしまいました…。もともと鋼球が4つある6/7速用のシフターなので2つに間引いています。Accushift対応ならシュパーブプロのダブルレバーでも同様の改造ができるはずです。

      今日は半徹明けなので早めに寝ます。


      (2010.10.23)
      80年代末以降のGPX、SL、RADIUS、EDGEなどのダブルレバーやサンツアーのバーコンでもアキューシフトに対応していれば同様のSIS10速化ができます。実際にダウンチューブに装着していませんので可動角度に制約があるかもしれません。


      (2010.11.15)
      Accushiftに対応していても、フリクションとインデックスがセレクタレバー式になっているものは構造が異なります。樹脂製のエントリグレード向け製品のレバーや、ウィッシュボーンシフターが該当します。

      2010-10-16

      念のため12-27Tで確認

      位相分布のファクターを加味して完成させたコマンドシフター/XCサムシフター用の10sインデックスリングは、インナーとアウターで各速の変速もスムーズでトルクをかけても問題なく動作しています。ストップ&ゴーが多い街乗りでクロスレシオのコグセットを使っていると3-4段一気にシフトアップしたい場面がありますが、難なくこなせるサムシフターの良さを実感しました。

      今日は12T-25Tのスプロケットをつけていた35cのブロックタイヤを履いていたものを、検証のためにホイールをごと12-27Tスプロケットがついた23cのタイヤに戻します。こちらでも問題ないことを確認できました。

      ダブルレバーでチェーン落ちしていたフロントは、XC Proの左レバーで引けるようにした上で再調整をして普通に使えるようになりました。



      (2010.10.19)
      ちなみにフロントはFSA(OEM)のコンパクトクランク50-34Tを使ってまして、インナートップ、アウターローのたすき掛けを含めて歯飛びやシフトのもたつきもなくキッチリ変速しています。何よりもシフトフィールが良いので変速が楽しいです。

      2010-10-14

      10sインデックスリングをプチ量産



      以前量産していたブランクリングで手作業にて20本ほどプチ量産しました。


      Suntour Superbe Pro RD(7s)の試着に記念撮影。7s用でプーリーが厚いせいか、プーリーケージがスポークに当たってしまいました。8s用なら10s「シマツアー」が実現という話もありますので試作インデックスリングのテスター様に期待しています。
      端整な機能美に満ちたシュパーブプロを付けて走りたいのですが、写真だけ撮ってRD-5600に戻しました。

      ご協力いただけるテスターをさらに2名ほど募集します。(募集終了しました。ありがとうございます!!)
      ・コマンドシフターのヘビーユーザー
      ・すぐに10s化してテストするための準備(パーツ類)がある
      ・荒川CR/江戸川CRを走ってる
      上記のどれかに該当される方だとうれしいです。
      テストご希望の方はコメント欄に連絡先メールアドレスを入れて連絡ください。
      (コメント欄はこちらで公開の操作をしない限り公開されませんのでご安心ください)

      2010-10-11

      シマノ10s対応サムシフター

      コマンドシフターのシマノ10速対応化のために、内部が同じ構造のXCサムシフターを使って10sインデックスを完成させたのですが、トリガー式のシフターの普及に新製品が出ることがなかったサムシフターは8速止まりで進化を止めてしまったため実現しているケースが少ないようです。9sや10sで使いたい向きの代替手段として、シマノのバーエンドコントローラをPaul Component EngineeringのThumbiesという台座と組み合わせて違和感なくサムシフター化する方法があるようです。

      正直なところ廃れてしまった方式であるサムシフターの操作感は期待していなかったのですが、なかなか小気味よく変速できて気に入りました。シフトダウン時のレバーの押し込みはちょっと重めですが、シフトアップは人差し指で軽く引っ掛けるか、トップ付近では人差し指付け根の内側でパチンと弾くだけ。10速インデックス化していてもレバー位置の感触でどのギアに入っているのかがわかりやすくて便利です。


      Suntour XC Pro 以外にも、おそらく下記のシフターと互換性があるはずです。
      Suntour XC Expert
      Suntour XC LTD
      Suntour XC Comp

      以前紹介したレビューサイトによると、耐久性とフリクションモード、軽さで神シフター的に絶賛されていますが、今年になってIRDから9速/フリクションのサムシフターがIRD XC-Proの名前で(いいのか?)発売されています。見た目は全くの別物ですが9sでXC Proサムシフターの再現を目指したものだと思います。お値段は$159.00だそうです。

      2010-10-10

      再び10s化パーツ

      今週になって6月末から中断していたリング作りを再開しました。思い切って前に作業していたデータを捨ててゼロベースで作り直してみると、妙案だと思い込んでいた手法が使えない事が発覚。それでも地道に作業を続けた結果、最小限のレバーストロークで従来よりも10sシンクロが決まるようになりました。当初、ワイヤーの巻き取り角度の関係でイレギュラーな位相があると考え、係数をかけただけでは解決しないと思い込んでいましたが、実は最初に求めた割り出し角度とほぼ同じでした。なんとも無用な回り道をしたものです。

      再び実証を経てテストランに出そうと思いますが、今度は材料で悩みそうです。

      フラットバーレイダックのほうはステムを換えてシフトアウターを短くして、グリップやシフターの角度を変更。1週間前の写真はヒドくメチャクチャな取り付けです…。

      2010-10-05

      フロントも手元シフトで

      フラットバーレイダックは長いステムに交換してひとまず快適になりました。
      左シフトレバーもダブルレバーからXC Proシフターで手元シフトできるように。でも調整があまいのか、部品構成のせいか(使っているクランクは変速性能がよろしくなく、安値で放出されます)フロントシフトでチェーン脱落しまくりです。

      XC Proサムシフターにして良かったのは、クリックリング部品がとってもラクに組み換えができるところです。クリックリング交換のたびにシフトケーブルを抜いたり通したりが必要だった1世代目のコマンドに比べて10s化の検証作業が加速することでしょう。

      きょうは散逸気味だったデータを整理して、久々にリングを作ってみました。

      2010-10-03

      XC Proシフター (indexed for Shimano SIS 10 speed)

      コマンド用のパーツで10s化したXC Proサムシフターを付けたレイダックで軽く散歩してきました。

      XC Proによる10sインデックスの操作感は思った以上。最初はレバー操作の力加減が掴み難かったのですが、すぐに思い通りにシフト操作ができるように。クリックリングは3s付近がちょっと曖昧な個体を入れてしまいましたので再度作り直します。


      ハンドル周りはなんだかモサっとしたイメージ。
      左だけダウンチューブのダブルレバーで操作してみましたが、コンパクトクランクは思いのほかフロントシフトチェンジ頻度が高いのでやっぱり手元シフトに変更します。




      ラクに乗れるようにするつもりが、却ってヘンなポジションに…。あとでステムを長いものに換えます。ちなみに良質なレイダックの供給地(?)ネットオークションウォッチャーにはおなじみの場所です。

      2010-07-08

      続RADACのブレーキ

      レイダックRF6のブレーキは、前:ダイアコンペ505(純正)、後:TEKTRO R740の組み合わせでとりあえず組んでいました。R740はボルトが長いフロント用をリヤに使うことでなんとかフレームを加工せずに済ませていましたが、フロントにも今時のデュアルピボットキャリパーブレーキを取り付けるにあたり、廉価版レイダックのブレーキ取り付けでは有名なフレームとフロントフォークのブレーキ取り付け穴加工が避けられない状況です。

      ネット上の情報をもとにアーチサイズでいろいろと難しく考えていましたが、前後49mmでも一応なんとか装着できます。問題のフロント側のタイヤとのクリアランスは0.5mm程度(シマノ推奨地は1mmだそうです)とギリギリで、神経質に考えるとパッドが摩減したときにタイヤを擦ってバーストの要因になり得るというリスクが気になります。

      タイヤとパッドのクリアランスを確保するためにアーチサイズに余裕のある(51mm)テクトロR510を投入することもできますが、いずれにしても取り付け穴の加工が必要なので同時に取り付け穴を微妙にオフセットすることで対処できないかと考えています。

      リヤは単純にブラインドナット側を6mm径から8mmに拡幅。フロントはパッドのクリアランスを稼ぐためにブラインドナット側をやや下方に8mmに拡げてフロントの取り付け穴を下側に1mm程度削ってオフセットします。ルーターで根気良くやればなんとかなると思ってますが、甘い考えかもしれません。ちなみにオールクロモリのRR1Rは、FRともに無加工でブラインドナット埋め込み式のブレーキが付けられる形状になっていました。

      いろいろと忙しくなってきまして、なぜかピンポイントでレイダックが人気な某国に向けてあす出発です。作業は帰国後に…。

      2010-07-02

      RADACのブレーキをTEKTRO R510とR740に

      とりあえずリヤだけをTEKTRO R740(ボルトが長いフロント用)にして、フロントは最下位グレードレイダック純正の大根色したダイコン505を使っていました。505はかわいいので使おうかと思ったものの、パッドが硬化しているのか効きが悪い、盛大に鳴くので大変です。昔苦しめられた片効き調整の面倒さに廃棄することに。

      安レイダックのブレーキ選びの問題点として取り付けナット径とブレーキアーチ長がよく話題にのぼります。ポピュラーな対処法として紹介されているのはシマノのBR-R650やBR-R450、BR-R600-57、BR-A550-57などの57mmアーチブレーキを使用する方法です。

      リヤにつけたTEKTRO R740のデザインが気に入っているのと、ブレーキアーチは51mmもあれば十分なのでは?という考えで、いずれ他車に使うことも考えて安かったTektro R740前後セットと、微妙にロングアーチなTektro R510の前後セットを購入しました。参考にテクトロのデュアルピボットキャリパーブレーキの主要モデルとブレーキアーチの値をまとめました。ロングリーチ、ロングアーム、ロングアーチと呼び方がまちまちですが、もちろんどれも同義です。


      Tektro YH-900 : 72 - 92mm … 一般車用 溶融鍛造アルミ合金アーム
      Tektro YH-800A : 61 - 78mm … 一般車用 溶融鍛造アルミ合金アーム

      Tektro R559 : 53 - 73mmナット軸バージョンあり
      Tektro R556 : 55 - 73mm (超ロングアーム)(ナット軸バージョンの設定あり?)
      Tektro R369 : 55 - 73mm (超ロングアーム)
      Tektro R365 : 55 - 73mm (超ロングアーム)

      Tektro R737 : 47 - 57mm (ロングアーム) 太いタイヤの装着を考慮した形状設計
      Tektro R736 : 47 - 57mm (ロングアーム)
      Tektro R730 : 47 - 57mm (ロングアーム) (ナット軸バージョンの設定あり?)
      Tektro R539 : 47 - 57mm (ロングアーム) 新レバー比
      Tektro R538 : 47 - 57mm (ロングアーム) (Tektro 521AGの後継品)
      Tektro R536 : 47 - 57mm (ロングアーム) (ナット軸バージョンの設定あり?)
      Tektro 521AG : 47 - 57mm (ロングアーム)
      Tektro R358 : 47 - 57mm (ロングアーム)
      Tektro R356 : 47 - 57mm (ロングアーム)
      Tektro R317 : 47 - 57mm (ロングアーム) 溶融鍛造アルミ合金アーム
      Tektro R316 : 47 - 57mm (ロングアーム) 溶融鍛造アルミ合金アーム

      Tektro R520 : 45 - 55mm (39-51mmとの情報もあり) 鍛造 公称161グラム

      Tektro R741 : 39 - 51mm (微妙にロング) 新レバー比
      Tektro R710 : 39 - 51mm (微妙にロング)
      Tektro R540 : 39 - 51mm 新レバー比 鍛造アーム
      Tektro R525 : 39 - 51mm 新レバー比
      Tektro R510 : 39 - 51mm (微妙にロング)
      Tektro R312 : 39 - 51mm (微妙にロング) 溶融鍛造アルミ合金アーム
      Tektro R310 : 39 - 51mm (微妙にロング) 溶融鍛造アルミ合金アーム

      Tektro R750 : 39 - 49mm (ショート)
      Tektro R740 : 39 - 49mm (ショート)
      Tektro R580 : 39 - 49mm (ショート)
      Tektro R570 : 39 - 49mm (ショート)
      Tektro R530 : 39 - 49mm (ショート)
      Tektro R350 : 39 - 49mm (ショート)
      Tektro R320 : 39 - 49mm (ショート) 鍛造アーム
      Tektro 423A : 39 - 49mm (ショート)
      Tektro RX60 : 39 - 49mm (ショート)
      Tektro RX40 : 39 - 49mm (ショート)

       Tektro R420A : 未確認


      制動性能に、特に付属のブレーキシューについていろいろと評価のあるテクトロ製キャリパーブレーキですが、シューの交換で改善するというのをよく目にします。シマノやkoolstop製ブレーキシューへの交換が定番のようです。




      追加情報(2010.10.17)
      結局フォークとフレームの取り付け穴を拡大して、R510前後セットを装着しました。

      上記ブレーキは沈頭ナット式なのでフレームとフォークの加工なしにハイブリッドダボ穴つきRadacに取り付けることはできません。シマノのロングアーチキャリパーブレーキには六角ナットで取り付けられる標準ナットの交換パーツ設定があります。テクトロの場合は同じテクトロ製のママチャリ用六角ナット留めデュアルピボットキャリパーブレーキ(Tektro YH-800A)のナット軸を流用して上記ブレーキに組み替えられそうです。

      米国の旧車愛好家がTektro R556の軸(沈頭式)をTektro YH-800A(貫通ボルト、六角ナット留め)に組み替えている例があり、「なんでTektro YH-800Aは日本専売なんだ」と嘆いてました。

      フレームとフォークを加工しない場合でテクトロのキャリパーブレーキで組む場合は、たとえばR510の前後セットとTektro YH-800Aの前用を1個だけ用意し、Tektro R510のリヤ用の軸をTektro YH-800Aのものと交換、前後を逆に取り付ける方法で対応できそうです。(実際にためしてませんが)

      こんな感じです。

      R510前用 → リヤブレーキとして使う(六角ナット留め)
      R510後用 → ボルト軸をYH-800Aのものと組み替えて前用ブレーキとして使う


      また、GIANT Defyが後継となったエントリーロードのOCRの後期モデル(04-08年)はブレーキの所要アーチサイズが52mm程度必要らしくキャリパーブレーキ交換に関して同様の問題を抱えているようです。


      追記(2010.10.20)
      GIANT TRADISTがTEKTROのロングアーチ57mm(R538?)のようです。

      追記(2010.11.9)
      お寄せいただいた情報などから総合しますと、ハイブリッドレイダックのアーチはフロントで微妙に足りないという程度のようです。モノによっては49mmまでのショートアーチのブレーキでもそのまま装着できる例があります。49mmでアーチが足りないのはホントに微妙で、しかもフロントだけなのでヤスリで削るという手も。

      追記(2012.1.15) 参考 : テクトロのナット留めブレーキ


      ハウツー動画を発見しました。これはわかりやすいです。
      YouTubeリンク : テクトロR556を埋め込み式からナット止めへ

      追記(2012.3.12)
      TATAMI計画にもテクトロのブレーキを採用します。テクトロさんに直接お話をうかがってきました。詳細はノチホド…。

      リンク

      2010-06-26

      熟練…。

      コマンドシフターのシマノ10s化の続きです。

      今日の作業はお休みです。

      慣れない工具たちとお友達になること1ヶ月半。いくら素人でも100回以上やれば慣れるもので、専用ジグと手作業で製品として申し分のない精度が出せるまで熟練してしまいました…。
      もちろん最終的には最新の製造設備をもつプロの手によるものになりますが加工に出すのに時間がかかるので、まずは手仕上げのパーツを組み込んでリリースしちゃいます。

      10速用だけでなく、補修用の8s、7s用パーツその他も用意するつもりですが、なんだか絶滅危惧種の保護でもやってるような…。そのうちレプリカ作りたくなってきたりも…。

      あくまで週末のサイドビジネスというようなスタンスではありますが、需要へのコミットをする構えです。ただその需要があるかどうか。軽い興味に導かれるまま二階に昇って梯子を蹴飛ばしたような、そんな感じです。

      スナップリングプライヤー

      コマンドシフター XC Proシフター (Accushift Plusシリーズ)の分解で第一関門となるのが、シフターを取り外したときに各パーツが軸から脱落しないように留めているCの字型のスナップリングです。

      精密マイナスドライバーでこじれば一発で外せるものの、再び取り付けるのはひと苦労。器用にやればスナップリングで留めなくてもハンドルに装着できますが、専用のスナップリングプライヤーがあれば楽です。プラスチック部品を傷めずにすみますし。

      で、使えそうなスナップリングプライヤー4本を買い込みました。結果は全部ハズレ…。やむなくダイヤモンドヤスリでシュコシュコと加工。先端を細くして、スナップリングがひっかかるようにくびれをV字型に整形。ようやくしっかりと把握しながら拡げられるスナップリングになりました。ただ、一度ドライバーでこじり出したスナップリングは変形しているので、ラジオペンチ2本で修正しないといけません。

      4,000円くらいかけてしまいましたが、調べると品揃えの良い100円ショップには210円商品としてスナップリングプライヤーを置いているところもあるようです。ヤスリを入れても315円で専用工具がつくれるかもしれません。上手くいったら方法を紹介したいと思います。

      2010-06-23

      完璧にシンクロ。

      当初一応10s化していたコマンドシフター。今では各速へのシフトアップ、シフトダウンがスムーズかつムラなくシンクロしてキッチリ決まるものに完成。

      急がば回れということで、何回も割り出しをやりなおしたり、各種ジグの削り出しを続けた結果ですが、その間に耐摩耗性や新しい工夫などもあってワイヤー送りピッチが最も短く難しいシマノ10s対応を実現することができました。この方法でいけばもし仮に11sで2.0mmピッチだったとしても難なく対応できる自信があります。

      2010-06-21

      XC Pro サムシフター

      7/8速対応の機構への興味もあり、Dahon Metroに付けようと思って軽い気持ちでXC Proサムシフターを入手しました。

      mtbr.comにおけるXC Proシフターのユーザーレビュー(英語)

      これまた大絶賛のレビューが多数。神シフター的な評価です。特にフリクションモードへの切り替えは、駆動系が衝撃などで変形するなどしてインデックスが狂うような状況でも、フリクションモードで切り抜けられる非常に実用的な機能ということだそうです。


      高評価はフリクション操作をしてこそシフティングだというような硬派な古参ユーザーに多い意見ですが、それでも「存在する最高のシフター」との声が多数。その後XC Proサムシフターは構造がコマンドと同じこともありまして、10速化改造を施しレイダック通勤号で愛用することになりました。

      2010-06-20

      Suntour Command Shifter (Butterfly) & XC Pro thumbies for the latest cogsets

      For those who are looking for the Suntour Command Shifters (aka Butterfly) or thinking to put them on eBay, just don't miss the chance to get your pair and never sell them away.

      People think the Command is an innovation 20 years ago, just perfect for restoration project of your vintage road bike. Or maybe some competition cyclocross riders found them ideal shifter for its durability over modern brifters. It is not just for old bikes. This is not because the Command Shifter can be switched to the friction mode, which is actually just turn them what they used to call 'light index mode'.

      The Command Shifters can be perfectly indexed and synchronized with the latest 9 and 10 speed or even 11 speed cassette cogs by simply replacing the index cam ring inside.

      The cam rings to make the Command Shifters work with Shimano 9 speed and Campy 10 speed are available from an ex-Suntour engineer for years. I have obtained a bunch of pairs of Command Shifters in NOS condition, and am currently working on the ones for Shimano 10 speed and Campy 11. So please stay tuned to this blog for the replacement cam rings or the complete Command Shifters geared to the latest cogsets.

      Since Suntour XC Pro thumb shifter, the greatest MTB shifters that still many people say 'the best shifters ever made', shares the internal design with the Command, the replacement parts fit XC Pro too. They are also not just old school stuff.

      コマンド10sの新手法



      薄曇りの絶好のサイクリング日和なのに今日もコマンドいじり。

      磨耗耐性を上げながら精度を高める新手法は目論み通りに機能することが確認できました。さらに操作が軽くなるという副次的な効果も出ています。

      当ブログの写真点数の少なさを反省しつつ、現状のレイダックの姿を晒しておきます…。

      クロスバイクのドロップハンドル化

      クロスバイクのドロップ化に取り組んでいるサイクリストは少なくないようです。ただ、レバー比の問題でそのままだとVブレーキを引けないSTIが最大の障壁になります。

      レバー比を変えるデバイスを介在させたり、ロード用キャリパーブレーキのレバー比でそのまま引けるショートアームV(ミニV)ブレーキを使うなどの対策が一般的なようです。

      これはクロスバイクに限らず、Vブレーキが装着された折りたたみ自転車や小径車でドロップ化を考えた時も同様です。

      コマンドシフターにしてVブレーキ専用のドロップハンドル用レバーを選べばこの問題は一気に解決するばかりか、余計なデバイスを介在させずにシンプルに済ませられ、トータルコストでも有利です。

      TEKTRO RL520 Vブレーキレバー (ペアで2,500円くらい)
      ダイアコンペ 287V (5,000円くらい)

      逆にカンチレバーブレーキの制動性に不安のあるシクロクロスを街乗り仕様に仕立てたい場合にも、カンチブレーキ台座にVブレーキを取り付け、STIを廃止して上記のVブレーキレバー+コマンドシフター構成にすれば、「街乗り最強」とも言われるシクロクロスを制動面でも最強にすることができます。

      2.3ミリのインデックス

      引き続きコマンド10s化に取り組んでいます。

      テストランの加工に出すのを保留して、再び念入りに割り出しをしているところです。これが終わったらロードテスト(カタカナで書くとload test と road test、うまいことにダブルミーニングです)に移ります。基本的にケーブルを2.3ミリずつ引くようにインデックスを打つだけのシンプルな事ですが、データ取りながら慎重に進めています。

      10-9速間のストロークを詰めようとも考えましたが、位相がごっそり変わってしまう以外にも影響がありそうなので見送りました。また、耐摩耗性も素材と加工方法に加えてもうひとつの有効な対策を思いつきました。いろいろやっているうちにテストでつくったリングも8個目。ゆっくりですが着実に進んでいます。

      2010-06-19

      レイダックと適正身長

      47サイズ … 151cm ~ 169cm
      49サイズ … 155cm ~ 177cm
      53サイズ … 162cm ~ 180cm 付属ステム80mm、クランク165mm
      57サイズ … 169cm ~ 189cm 付属ステム110mm?、クランク???mm

      上記はRF6の適正身長だそうです。でも吊るしの状態で乗るにはちょっと広すぎる感じがします。
      たとえば私は53サイズと57サイズそれぞれの適正身長中心値のちょうど中間の身長なのですが、53サイズを選択するとステムが短い、クランクが短い、胴長短足体形なのにシートポストは制限ラインちょうどで合うといった状況です。しかもハンドルバーはブラケット部分で芯間380ミリとかなり狭いものがついていました。結果、適正ポジションを出すために、ハンドルバーとステム、クランクを交換するということになってしまいました。

      適正身長の数字はフレームの適正身長であって、ステムやクランクなどで調節が必要な場合もあるということなのでしょう。

      2010-06-17

      フロント用(左)コマンドシフターの分解

      フロント用シフトレバー(左用)の分解メンテナンス用のメモです。

      コマンドのフロント用左レバーは、ワイヤーのテンションと拮抗するために送り側でラチェットが効いて軽く、戻し側で重くなっています。

      分解メンテナンスの必要性はあまり無さそうですが興味で開けてみました。右用のようにスナップリングで留めているのでもなく、かといってボルトを緩めようといくら回しても緩みません。これはボルトの途中に抜け止めが入っているためで、抜け止めを引き抜くためには台座から外してボルトを底から押し上して取り外します。


      16.環付きボルト
      15.プラキャップ
      14.シール (グレーのプラ部品)
      13.ワッシャー (内側にスプライン溝つき)
      12.ラチェット歯車
      11.ラチェット爪 (スプリング/プラ)
      10.ワッシャー (内側半分にスプライン溝つき)
      9. シフトレバー本体 (アルミ合金ダイキャスト製)
      8. ワッシャー
      7. シフター軸
      6. アウター受け (スチール・黒塗装)
      5. ボルト軸
      4. 抜け止めリテーナーワッシャー(プラ)
      3. アルミ合金台座 (後期型)
      2. クランプナット(スチール / 後期型)
      1. ステンレスバンド(ステンレス / 後期型)


      16. bolt
      15. plastic top cap (black)
      14. plastic seal (gray)
      13. spline washer ring (6 serrations)
      12. rachet cog cilynder
      11. rachet teeth with spring
      10. spline washer ring (3 serrations)
      9. shift lever
      8. washer ring
      7. shifter column
      6. cable holder (steel black paint)
      5. bolt column
      4. retaining washer (plastic)
      3. bracket base (alloy)
      2. clamp nut (steel)
      1. stainless clamp band

      2010-06-15

      Suntour Command Shifter for Campy 11 speed?

      シマノ10s対応リングの開発が量産テストラン→量産というフェイズが見えてきたところで、今度はカンパ11sに目を向けます。

      クリックリングを穴があくほど見つめていて得た結論は、一筋縄ではいかないにしても実現可能、というものです。

      カンパ10sのワイヤー引き量2.8mmに対し、11sは2.6mm。カム穴の角度とワイヤー引き量は、ワイヤーの曲がりなどのせいか正比例しませんが、物理的には専用のクリックリングでギリギリ実現可能と踏んでいます。ダメでもクリックリング以外の部品も交換すれば確実に対応できるはずです。

      こんな事考えてますが、実はカンパなんて触った事もありません。何も分かってません。エルゴパワーレバーのフィーリングこそがカンパなんじゃないのとか言われそうです。

      というわけで、フレームのままで半年くらい放置する予定だったレイダックのクロモリフレームにホイールやらステムやらが生えてくる日も近そうです。しかもカンパ11sとかギャグみたいな状態に。

      シマノ10s対応済みコマンド

      金曜土曜と久々に続けて痛飲しまして、天気の良い日曜にコマンドシフターを弄って過ごしていたら梅雨入りしてしまいました。結局あまり乗れないままで今週を迎えています。

      さぁーて、気になるシマノ10速対応済みの新品(一応ね)コマンドシフターのお値段は…。

      予価、1諭吉っつあんです。

      ※但し、リングの量産テストランがトントン拍子に進んだ場合です。場合によってはリング以外にも3点ほどリプレイスメント部品を作らないといけない可能性も残ってますので。

      内容は、コマンドシフター(左右1セット)です。シフトケーブルは付属しません(シマノ製ワイヤーなどでもちろん代用できます)。デッドストックの新品ですが、パッケージ品ではないので保管瑕によるシフトレバーの塗装剥げが多数見られますゆえ、コレクション用途ではなく実用品としてどうぞ。オリジナルの7sリングは付属しません。

      もちろん、手持ちのコマンドシフターの在庫限りです…。

      今までコマンドをオークションで入手して9速/10速化すると諸費入れて1.6萬イェンくらい掛かっていたのに比べれば、吾ながら良心プライスかと。さらにコマンドシフター唯一の消耗部品たるクリックリングも安価に提供するつもりです。

      儲かるかと聞かれれば少々の利益は出ますが、商売として考えると油を売ってる状態で非常にマズいです。何やってんだか…。


      (2010.10.23追記)
      提供開始まであと一歩か半歩の状態まで漕ぎ着けました。リプレイスメントパーツ2点の交換で耐久性も確保できそうです。予価が守れるかどうかはちょっと微妙なところです。

      2010-06-12

      コマンドシフター 右のみ一部到着

      コマンドシフターに触れられる週末がまたやってきました。
      先に到着したコマンドシフターの状態をチェックします。

      山積みで保管されていたものらしく、どの個体もアルマイトが剥げた箇所が多数あり、古くなったグリスの匂いがします。シフトケーブルは表面が酸化していますのですべて処分します。
      長期保管品の新品という説明でしたが、20年落ちのレイダックに付属していた中古のほうが外装に関しては状態が良いという状況。動作チェックも兼ねて、全部バラして洗浄、調整、グリスアップをするとなると結構な作業量で、しばらくはコマンドシフターを弄る週末になりそうです。

      入手したコマンドシフターは後期のダイキャスト台座、ショートレバーの7sだと思っていたら、ダイキャスト台座、環付ボルトまでは後期タイプなのですが、レバーだけ後期の丸みを帯びたものではなく、前期の角ばったレバーがついています。しかもその両端を削って長さを詰めたうえでブラックアルマイト処理されているという不思議な仕様。応急処置的に加工したものがそのままお蔵入りになったのか、どういった経緯なのかまったく情報がなく謎のままです。

      2010-06-08

      シマノ10sコマンドシフター

      一応シマノ10速に対応させたコマンドシフター。完璧にシンクロすると思っていましたが、まだまだ改善の余地があります。レバーの角度によって指の力が掛けにくくなる位置が出るので、各段でクリックの深さを最適化したほうがいいのではと通勤で使いながら思いました。トップ付近とロー付近で妙に深くし過ぎたせいで操作する角度が少なくなる5、6、7段間で微妙なコントロールがしにくいものとなっていました。実際は台座のストッパーが機能するトップは微かにクリックするだけで問題ありません。おそらく、クリックのくぼみの径に変化をつけることで対応できると思います。さらには摩減がある程度進んだ時の影響も考えないといけません。

      試しに作ったものでもパチパチとシフト操作してシアワセになれるくらい楽しめるものに仕上がっていますが、最適なフィーリングリングをチューニングで得られれば、もっと気持ち良く使えるものになります。

      2010-06-05

      コマンドシフターのシマノ10速対応化に成功



      Suntour Command Shifterのシマノ10速対応化に専用のクリックリングを用意するだけで成功しました。治具なしでフリーハンドで加工した試作品なので各段のクリック感が一様ではありませんが、ローからトップまで
      完璧に(改善の余地あり)シンクロします。

      テスト環境はこんな感じです。
      フロントスプロケット : FSA 50T/34T
      リヤメカ : 105 RD-5600SS
      カセットスプロケット : 105 CS-5600(12T-27T)
      チェーン : CN-7801+KMCミッシングリンク10s

      コマンドシフター組み付け順

      備忘用にコマンドシフターの右レバーをメンテナンスする際の組み付け順をメモしました。モデルは7s Gen.1です。メンテナンスするときはストッパーで止まるまで右に捻り、トップの位置にしておきます。ねじをはずしてハンドルクランプ台座からはずしたら、シフトワイヤーのアウター受けが手前に来るように作業台に置きます。


      20. ボルト
      19. スナップリング
      18. インデックスインジケータ(プラスチック部品、内周側) インジケーター(赤丸)を2時位置に
      17. プラスチック製キャップ(プラスチック部品、外周側) JAPANの表示を11時位置に
      16. 鋼球押さえ
      15. 鋼球 12時、6時位置の穴に配置する。ガイドプレートの刻印がある部分には取り付けない。
      14. 鋼球
      13. 鋼球ガイドプレート … ポンチマークを9時or3時位置に
      12. 銅ワッシャー … 鋼球の外周への脱落を防いでいる
      11. インデックスクリックリング … インデックスのくぼみがある面を上にして配置。
      10. ワッシャー …皿ばねのテーパー側を受け止めている。
      9. 皿ばね … 2枚貝やカスタネットのように配置。
      8. 皿ばね … 1枚目はテーパーが奥側になるように。
      7. ワッシャー … 皿ばねを受けている。
      6. レバー一体ケース … アルミダイキャスト、ブラックアルマイト仕上げのレバー。
      5. ワッシャー
      4. 波ワッシャー
      3. シフター軸 … 軸とアウター受けは5点のダボで勘合する。
      2. アウター受け … メンテナンス時はアウター受けを6時位置に
      1. ハンドルクランプ台座

      2010-06-01

      サンツアーコマンドシフター復活?!

      21世紀に入ってから高騰し、最近では1万円オーバー近辺で高値安定していたサンツアーのコマンドシフターですが、これで少しは落ち着くことでしょう。

      後期型のダイキャスト台座、ステンレスバンドの7速、バークランプ径は23.8mmです。写真のような状態で保管・輸送されていますので、特にレバー部の擦れや
      アルマイト(塗装です)剥がれなどのキズはあります。15年以上前のものなので
      シフトケーブルの品質も保証できませんのでオマケと考えてください。(シフトケーブルはありません)



      このような大量のコマンドシフターはもう見ることはないでしょう。オークションで値段吊り上げたりしませんので、手持ちのコマンドの高値売り抜けを狙ってる方はお早めに…。

      シマノ10速対応化の目処もついたことなので、まとめてシマノ10s対応に改造したうえで供給しようと思っています。

      2010-05-31

      サンツアー・コマンドシフター

      1990年、ロードバイクの手元シフトチェンジ時代の嚆矢としてサンツアーがシマノのSTIに先駆けて放ったのが「サンツアー・コマンド」。Wレバーやサムシフターの内部機構をそのままに、レバーをウィングナット形状にしてブレーキレバーブラケットの近傍に取り付けるというシンプルな方法で、ブラケットポジションと下ハンポジションでの手元シフトチェンジ操作を実現しました。

      グループセット供給のシェア争いに敗れたマエダ工業と共に消え去り、デュアルコントロールレバー(英語圏では俗にブリフター:シフターとブレーキレバーを合わせた造語)が主流となって今に至っています。

      私もレイダックを注文するとき、自転車屋の店主に「手元でこう、パチパチッと変速できるのもあんねんけど、つける?」と聞かれたのですが、ダブルレバーと違う変速レバーというと80年代半ばには絶滅したトップチューブについてたアレが頭をよぎり、勿体無いことについ敬遠してしまいました。